「それより、何処か行こうか?奏音ちゃん、行きたいとこある?」
馴れ馴れしく里穂の彼氏が聞いてきた。

「…いやー私は……」
答えに困っていると、


「ドライブ行こうよ」
里穂が即座に答えた。


「玲於、車でしょ?」


「あー、いいけど、今日は翼の車なんだ。翼、車出せる?」
翼に詰め寄る玲於。


「もちろん、OKだよ。海でも行こうか?」
爽やかな笑顔で言う翼。


「う、海?」
海の好きな私は、この言葉に強く反応してしまう。


「いい、いいよね?奏音?」
興奮状態の里穂。

「…うん」

私はその場に流されながらもコクリと頷いた。