緑の木々が立ち並び、春風が扉から心地よく入ってくる、アンティークなカフェレストランに、私達は再び入って行った。


「奏音、翼、こっち」

「里穂、玲於君、待たせてごめんね」
私は、玲於には目を合わせることなく答えた。

「やあ、待たせたな」

「いいよ。それより、懐かしいねーこの店」
里穂も私と同じことを思っていた。


「…だよね。この店のおかげで、今があるんだもんね」
私は満面の笑みを浮かべた。


「今日はちょっと報告があって…」
翼が話を切り出した。


「ん?なになに?」

「なんだ?」

里穂も玲於も興味津々。


翼は咳払いをした。

「俺たち結婚することになったんだ」