その時、私達の前に煌びやかな白いベンツが止まった。

や、やばい。
翼だ。


翼は、私と玲於に気づいたようで物凄い勢いで、車から降りてきた。


「何してるんだ?」
ちょっと不信感を見せる翼。


「よっ、翼。久しぶり」
玲於は何事も無かったように振舞った。


「奏音ちゃんに偶然会ったんだ」
よくもそんな見え透いた嘘をつけるものだ。


「奏音?そうなのか?」
ちょっと疑いの目を私と玲於に見せた。


「うん、店を出たら、偶然。びっくりしちゃった」
私は仕方なく嘘をついた。出来れば、嘘はつきたくないの性分なのだが。


「そっか、あ、今から奏音の家行くけど、玲於も来るか?」


何とも恐ろしい発言…
ないない。
絶対ない。



「へぇー行きたいな…奏音ちゃんいい?」