「ねぇー、今度俺の爪もケアしてよ」


「もちろん、いいよ」
私はすっかり冷静さを取り戻していた。


「まじ?店行けばよい?」


「うん。『Lovely Nail』って店よ」


「よし、行った時はよろしく」
翼は、微かな笑みを浮かべる。


「うん。楽しみにしてて」
私は満面の笑みを見せた。


そして、私はとりあえず自宅まで送って貰った。


「またね、奏音」
黒い眼鏡がキラリと輝きを放った。


翼は、何事も無かったように、爽やかに帰って行った。