ドン

「あ、すみません」
私は顔を隠すように頭を下げた。


「あれ?奏音?」


「え?」
私は、聞き慣れた声に反応し、頭を上げた。


「里穂、里穂だー」

私は、里穂に助けを求めて飛びついた。


「奏音、どうしてここに?まさか翼と一緒?」

私はひたすら首を縦に振る。


「里穂は?」


「私は先輩モデルに連れて来られたのよ」


「里穂、帰りたいよー」
涙ぐむ私に里穂は驚いていた。


「わ、わかった。とりあえずロビー行こうか?」

里穂は優しく私を誘導した。