「翼、また来たいな」
里穂は、ワクワクしながら色っぽく言った。


「もちろん、いつでも大歓迎だよ」
翼はどこまでも紳士的だ。


「おい、里穂、翼は奏音ちゃんの彼氏だからな」
玲於が可愛らしいことに少し嫉妬している。


「わかってるって」
笑い出す里穂。


「奏音、また来ような」
翼は、また眼鏡を一瞬外し、そう温かく言った。


ちょっと、ちょっと……
眼鏡ナシもめちゃめちゃカッコイイ。
私、すごい人の彼女になっちゃった。



「はい、ありがとうございます」
私は丁寧にお礼を言った。


「おい、そろそろタメ口にしてくれ」
翼が即座に言った。


「あ、はい………うん、わかった」
私はドキドキしながら答えた。


彼女かあ。
敬語は変だよね。
でも、高鳴る鼓動は止まらないよ。