ブルブル

私のスマホが鳴った。翼からだった。


「もしもし、奏音?今どこにいる?」


「い、今は、ちょっと外出してて、玲於のマンションに行くところ」
私は差し障りのない答え方をした。


「わかった。報道陣には気をつけろ」


「わ、わかった」
私は本当は詳しく話を聞きたかったが、里穂が居るから、その場では我慢した。


里穂は髪も乱れ、化粧も涙ですっかり落ちて、まるで死んだような表情をしていた。顔すら上げず、ずっと下を向いたままだった。



里穂、私達は親友でいいんだよね?
里穂、私もかなり辛かったけど、立ち直ったよ。
里穂も頑張って。