俺は一足先に家につき、里穂の帰りを待った。

俺はその間に予め用意してあった里穂に書いてもらう書類の準備をする。




「ただいま。持って来たわよ。奏音の姿、翼に見せてやりたかったわ。ふっ」


「お疲れ。見せて」
俺は、大きな封筒から、2枚の書類を取り出し確認した。
奏音の震えた字が印象的だった。


「で、里穂、ついでに仕事の手続きもしたいんだが、いいか?今度KINGと国木田グループが業務提携することになり、お前をモデルにと頼まれたんだ。どうだ?KINGだぞ。お前はさらに世界に翔く。事務所には既に話は通してあるから、大丈夫だ」

俺は里穂に熱い眼差しを送りながら語りかけた。


「えぇーKING!やる、やるよ」


「だよな。じゃあ、今から言うとこにサインしてくれ」
俺は書類に何度も指をさす。

里穂は言われるがままに嬉しそうにサインと印鑑を押した。


「これでいい?わぁー嬉しい」
里穂は足をバタバタさせながら喜んでいる。


「よし、ありがとう。頑張れよ」
俺は鼻で少し笑いながら言った。