俺はすっかり仕事が長引いてしまい、帰宅したのは、深夜0時だった。

日中、奏音からの連絡が入らないか常にスマホはチェックしていたが、全く入っていなかったことに不安を感じていた。


「ん?待て。隣りがいない。奏音、あいつ……」

俺は慌ててスマホを鳴らす。


うーん、出ないじゃないか。

あいつまさか入籍したんじゃ……




ピロロン


『玲於、私は今日翼と入籍し、引っ越しも済ませました。里穂と翼は何でもなかったよ。私達の勘違いだったみたい。色々心配かけてごめんね。ありがとう』


『おい、本当に大丈夫なのか?おかしくないか?』


その後の返信は一切なかった。


奏音、俺達は愛し合っていたんじゃないのか?
俺は本気で奏音を愛してたよ。