何年も経った。
大学も卒業して、社会人に私はなった。
今は音楽に関わる仕事をしている。
毎日新曲が入ってくるこの仕事は大変なことの方が多いけれど、やりがいはある。
先輩にしごかれながら頑張る日々だ。
へろへろになりながら夜遅く、帰宅すると手紙が入っていた。
いつものように生命保険か何かの案内だろうか。
捨てるの面倒なんだよな、と思いながら郵便受けから取り出す。
封筒に書かれた名前を見ると、『五十嵐 茜』とあった。
何年も会っていない。
何をしているのかも分からない。
月明かりの下で封筒を破り、中身を取り出す。
たった1枚のメモだった。
墓の場所が記されていた。
そのメモが、意味することを私はそのまま受け取っていいのか分からなかった。
もしかしたら、罠かもしれない。
でも、茜ちゃんは絶対にそんなことはしない。
それだけは信じられた。


