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「そんなの、彼氏がお風呂に入ってる間とかにコソッと見ちゃえばいいじゃん!」

もうすぐ雨が降りそうだな。
どんよりと重たくなってきた空を見上げて、外に干してきた洗濯物の事を思う。

久しぶりに、同僚の藤田結花と社外でランチをした帰り道。
私は、ひろ君がずっとスマホを離さない事を話してみた。

「でもさ、勝手にスマホ見るのってどうなんだろう・・・」

気になる。でも、あの雰囲気でもう一回は聞きにくい。でも知りたい。
ならいっそ、こっそり見てしまう?
いや、でもそれは・・・。

ずっとグルグルまわっている、自分では行動に移せないこんな気持ちを、誰かに整理してほしかった私は、結花の性格を分かっていて言ってしまった。
きっと、誰かに最後の一押しをしてほしかったんだと思う。
その状況に置かれた時、自分だけがそうするんじゃないって・・・。

しかも、私が言い出した事じゃないよとばかりに、否定なんてしてみせて。