「あ、あの、」

「ん??」

「て、ててて、手を。」

「手がどうかした??」

にやっと笑ってる彼はきっと確信犯だ。その証拠に、真っ赤になっているであろう私の方を向いて、ぎゅっと握った手を離さない。しかも、普通の手を握る、なら大分ましなのに、彼は『恋人繋ぎ』をしてくるのだ。

余計、たちが悪い。

けれど、不思議と、嫌な気持ちは沸かなかった。

「」