「広い家だね…」


「まあ。ほとんど使わない部屋ばっかりだけど」


「掃除はしてるんだ?」


「…使うかもしれない部屋だけ。幼馴染がうるさいから」


「よく出てくるけど、幼馴染さんってどんな人なの?」



冷蔵庫に買ってきた飲み物をしまったり、コップを用意するカチャカチャとした音を聞きながら、話をする。


洗い物を入れる場所には、ほんの数枚の皿と、こないだ出してくれたコップが2つしかなかった。



「…亜希奈(アキナ)って名前で…そうだな。
お節介で、うるさくて、髪の毛がくるくるしてる」


「ふふ。なんかお母さんみたい」


「亜希奈の子供にはなりたくないな。
絶対買い物に付き合わされるし、いちいち口を出されそう」


「子供じゃなくても付き合わされてるけどって?」


「たしかに…。
飲み物、どれが良い?」


「んー」



仕舞い終わった冷蔵庫の中を見ると、さっきまでほとんど何もなかった冷蔵庫がたくさんの飲み物で溢れている。


…改めてこうやってみると、流石に買いすぎた気もする。


全部500mlのペットボトルとはいえ、好きなもの全部はやりすぎたかなぁ。


ミルクティーだけで5種類あるもんね。