似ているようで。 柚の瞳には、私なんかよりずっと強い色がある。 「…ふぅ」 一つ、息を着く。 柚が辿り着いたのか、奥の方の空間がぐらっと大きく揺れるのを感じた。 ーー大勢。いる気がする。 喧騒が、微かに、微かだけれど 私の耳に狙いを定め、飄々と耳穴を潜り抜けていく。 大丈夫だろうか、柚は。 一人で。 そういえば、私。 「…強いのかな」 皆の強さを、知らないな。