伝説に散った龍Ⅱ



















「……あんま心配すんなって。俺は大丈夫だから」



「私、看護の知識なんて一切ないからね」



「…ここで待ってろよ、ちゃんと」



「怪我したりしたら警察と救急車呼ぶからね」



「約束だぞ」





私の投げかけには答えず、柚は口元の笑みを消して。



奥の方へと足先を向けた。



いつの時代も
不良というのは変にプライドが高い。



それは私もそうなんだけど。



柚を見てると、少し前の自分を見ているようで、なんだか懐かしい気分になる。





「…死なない程度に、ね」



「おう」



































スタスタスタと歩いて行く、その背中をじっと見つめていた。



堂々していて、それでいてどこか畏怖の表情を併せ持つ。そんな背中。



…柚は違うね。あの頃の私とは。



「…全然違う」