──────────… 「…何ここ」 「蛇のアジト」 「いやそうじゃなくて、」 「なんだよ」 ーーちょっと、広すぎない…? あ?そうか?と柚は首を傾げる。 その姿を私は見て思い出した。 そうか。黒龍のアジトも割と広いんだった。 彼等の溜まり場の広さもそう変わらないのかもしれない。 ただひとつはっきりと浮き出て見える、彼らとは決定的に違う部分。 「なんにもないね、ここは」 「たしかに」 「龍はガラクタだらけだから」 「おい」 ーー生活感が、まるでない。