伝説に散った龍Ⅱ

































「……なに、それ」
























───なにそれ。





膝が震え出す。勝手に。



その震えが全身を伝わっていくのに
さほど時間はかからなかった。





「なにそれ」



「セリナ」



「あたしずっと、ずっと、」



───ずっと、お前たちに嫌われたんじゃないかって。



「…うん」



「一生、顔も見れないんだろうな、って」




























































うまく言葉が繋がらなくて、
うまく呼吸ができなくて。



視界が微かに滲んでいく。





「…なんで、よ、」



「落ち着いて、セリナ」



「なんでそんな、今更優しく、っ」





棗の優しいハスキーボイスが、私の頭の中をぐるぐるとこだまする。



ぐちゃぐちゃだ。



なにがなんだかもう。





「なら、」



───あの日あいつらが私を突き放したのは。





チームを抜けると、このチームを捨てると言った私を



誰も追いかけてこなかったのも全部。



そこには大事な理由があった
とでも言うのだろうか。