伝説に散った龍Ⅱ
















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「…芹那」



「あ諒二、おかえんなさい」



「帰ったか?あの糞餓鬼は」



「烈のこと?」



「そう」



「帰ったよ。30分くらい前」



ーー上司に挨拶もなしか。あの野郎。



諒二は呆れたように笑った。



「で?世那は?」



「一緒に出てったよ。なんかあるらしい」



「聞かなかったのか?何があるか」



「うん」



「…へえ」



「なに」






















ーー正式に黒龍の仲間になることを決めた。一時間前。



それから三人、何だか分からない、覚えてもいないほどくだらない話をして



世那と烈は何か用があるからと出ていった。



私も来るかと言われたが
少し悩んで、いい、と断った。



お風呂に入りたいなと思った。
お腹も空いたなと思った。
ちょっと寝たいな、とも。



そして。







































ーー私は諒二の帰りを待っていた。



「可愛くなったもんだな、お前も」



「え、ありがとう」



「違えよ馬鹿」



え?違うの?



力の籠った声で私を睨む諒二。



思わず私も身構える。



私が『黒龍』と関わることを、諒二が望んでいないことは何となく知っていたから。


















「足洗ったつもりか?」



「…なに急に」



「…惚けんなよ



分かんないじゃ通用しねえぞ」



「……分かってるよ」



「お前はそんなんで足を洗ったつもりなんですか?って聞いてんだろ答えろよ」



「何が言いたいの」



「…気持ちわりーくらいの未練が」



「…」



「ぜんっぜん払えてないんだわ、お嬢ちゃん」