伝説に散った龍Ⅱ















「守ってくれるんでしょ?」



今まで、好き勝手やってきた。



















































ーーこの、うす暗い世界で。



「守られてやるよ」



だから今度は
彼等を見送ろう。



この世界を走り続ける彼等を。



内側から。














































きっと、それも悪くないと思う。







「…芹那」



久しく黙っていた世那の情けない声が、私の耳にすべり込む。



「いいのか?本当に」



「承知の上だよ」



「…そっか」



世那は知らない。
自分が出ていったあと、私が何処で、誰と笑っていたのか。



だからこそ世那の口から出る言葉が優しくて



それは、痛いほどに。



























「私あんまり悪目立ちはしたくないから、あれはやめてね」



「あれ?」



「集会の時とかにお披露目的な、あれ」



「…ああ、あれ」



「言うこと聞いてあげるから。ね?お願い」



「……ほんっと、がめつい女だなお前は」



「やった〜」





烈の顔から緊張が消えていく。



笑った。
良かった。



これ以上誰かの重りになるのは嫌だな。



そんなことを思いながら。





































私は、自分に向け差し出された大きな右手を



「よろしくね、黒龍」



「こちらこそ」



力強く握り返した。