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「…ほんとに?あんな一瞬で?」
「…らしい」
「一分も外居なかったじゃん、私」
「俺も油断してた。俺のせいだ」
すまない、と
もう一度烈はそう繰り返す。
私は頷く。
「いいよ」
「…いや、」
「全然いいよ、私」
「…は?」
ーー烈の言う『すまない』の言葉の先が
何処に繋がっているのかはだいたい想像がつく。
つまり。
彼等は私を守らなくてはなくなったのだ。
今までとは違う方法で。
「気にしない」
何も。
彼等がどのような選択をするのだとしても。
「烈が選んだことなら」
ーーはじめは
『伊織を守る』という利害関係の一致だけが
私と彼等を繋ぐ糸で
ならばここに居てもいいと思っていた。
何のしがらみもない、ただの『円堂 芹那』として伊織と関わりたい。
その『伊織と』が
いつの間にか、『黒龍と』になっていたような気がする。



