伝説に散った龍Ⅱ














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「…ほんとに?あんな一瞬で?」



「…らしい」



「一分も外居なかったじゃん、私」



「俺も油断してた。俺のせいだ」



すまない、と



もう一度烈はそう繰り返す。



私は頷く。



「いいよ」



「…いや、」



「全然いいよ、私」



「…は?」






























ーー烈の言う『すまない』の言葉の先が
何処に繋がっているのかはだいたい想像がつく。



つまり。



彼等は私を守らなくてはなくなったのだ。



今までとは違う方法で。















































「気にしない」



何も。



彼等がどのような選択をするのだとしても。



「烈が選んだことなら」







































ーーはじめは
『伊織を守る』という利害関係の一致だけが



私と彼等を繋ぐ糸で



ならばここに居てもいいと思っていた。



何のしがらみもない、ただの『円堂 芹那』として伊織と関わりたい。



その『伊織と』が





























いつの間にか、『黒龍と』になっていたような気がする。