ーーバタンと音を立てて閉まったドアを横目に
湯呑みをゆっくりと二人の前に置いて
私も席に着いた。
諒二には聞かせられない話。
明日も学校があるというのに
今日、話さなくてはならない話。
家を訪ねてまで、話したい話。
黒龍関係であることは、烈の姿を目にしたときからなんとなく察していたけれど
この重い空気を全身で受けながら
それ以上のことってなんだろう、と真剣に考える。
答えは浮かばない。
ーーそこから烈が話し出すのに、
きっと三分ほど間が空いていたと思う。
彼は席を立って
次の瞬間、
額を床に擦り付けた。
「ちょ、」
「…」
「何、何してんの頭上げて」
「…」
「ちょっと烈!」
明らかに私に向かって頭を下げる烈は、
そのまましばらく何の音も発さず
世那はそれを、私の隣で黙って見ていて。
その場に唯一取り残されていた私は、どうしたものかと必死に頭を回していた。
ーーしばらくして、その土下座は私への謝罪なのだと気づいた。
「…すまん、芹那」
「ねえ、だから何が」
「お前に言わなきゃならねえことがある」



