「お前は、いつも私の欲しい言葉をくれるね」
「自覚はない」
「甘すぎるよ、本当に」
「それも自覚はない」
そのまましばらく走って、
私たちは近くにある公園で足を止めた。
ブランコと砂場しかない、小さな公園だった。
ミオは私に
『ちょっと待ってろ』と言い
言われた通り待っていれば
私の大好きなおしるこが手渡された。
「やった、おしるこ」
「ババアみてえ」
「失礼だな」
飽きもせず悪態をつきだしたミオ。
かと思えば
次の瞬間には気まずそうに俯いてしまう。
「なに?どしたの」
「…」
「なによ」
「…」
「なんで急に黙っちゃうの」
不思議な男だ。
こうしてたまに、私にも理解がつかない行動を唐突に取り出すことがある。
でも知ってる。
こういう時は、そっとしておくのが一番。
黙って、隣にいるのが良策だということを。
「…あっちは、どうだ?」
「あっち?」
「お前んとこ。友達は出来た?」
「え、今更?」



