「…お前が望むなら」 ミオはそんな私に、迷うことなくそう言った。 優しい声だった。 明るい朝の日差しが瞼の裏に浮かぶ。 「よく言った。 そうと決まれば出発だ」 「…調子いいやつ」 そうしてゼッツーに跨がれば、その感覚はさっきとはまるで違っていて 棗を背負った時のあの虚しさは何だったんだろうと そう思わざるを得ないほど。 ミオの隣で操るバイクは、どこか洗練されているように思える。 「やっぱりゼッツーはお前に似合う」 「…全国の私以外のゼッツー乗りに謝んな」