ビクッ、と肩が揺れた。
「雄大、その女、今どこか分かるか」
「そこまで離れてはねえだろうな。入ってきたとき聞こえたバイクのエンジン音もまだ聞こえねえ」
雄大くんのその言葉に、そうか、と相槌を打つミオの
そのつま先は明らかに入り口に向いていて。
「おいお前どうする気だよ」
戸惑い、雄大くんが声を震わせるなか
「うちの幹部が世話になったんだろ」
「…んとに、どうしようもねえなお前は」
「礼くらいはしなきゃなんねぇだろうが」
そう言って、妖艶に微笑んだミオに
「…っ、」
ーー不思議と、私の目からは涙が滲んだ。
「────セリナ」
嗚呼、駄目だ。
結局私は、この男には勝てない。



