伝説に散った龍Ⅱ

















とぼけたようにそう言い捨てた私に、雄大くんは呆けた表情で笑う。





「…帰れよ。今すぐ」



「えーえー、言われなくても」

















どうやら見逃してくれるらしい雄大くんにヒラヒラと手を振って、私も退散することにした。











きっと、私にこんなこと思う権利ないんだろうけど



まだ何か、名残惜しくて



ここを、離れることに。





「棗…」





私がさっき放り出してきた棗を心配する雄大くんの声が聞こえる。



背を向けた瞬間、零れたのは



ずっと、どこかで我慢していたはずの感情。























ーー別に見逃さなくたっていいのに。



捕まえて拷問でも報復でもなんでもして。
私だって、気がつけばいいのに。



そんな淡い期待がどこかにあったのかもしれない、と思う。



そんなことは、ありえないのに。