「…知らないわけが無いでしょう」
今や、知る人ぞ知る最強の不良集団。
彼等の中に空いている穴を、皆は知らない。
「…お前、女か?」
「それは秘密」
特にこの界隈では、彼等を知らないという人間のほうが寧ろ少ないはず。
「で、何の用だよお嬢ちゃん」
「お届け物を届けに来ただけだよ、私は」
「私って言ってんじゃねえか。阿呆クサ」
「…何とでも思うといいわ」
「犯されにでも来たのか?」
「…それもいいね」
「…ん、自分の身体はもーちっと大事にしな
うちのチームはそんな趣味ねえから」
『犯されにでも来たのか?』
あっけらかんと言い放った雄大くんに、一瞬身体が凍りついた気がした。
もともと狼も血気盛んで健全な男子しかいないところだったけれど、誰も仲間内にそういうのを持ち込むことはしなかった。
私がそれを嫌ったから。
その私がいなくなったからここも野放しの無法地帯になってしまったのかと思ったが
「そう。残念」
「気色わりい女」
ケケケと笑った雄大くんの声に安心する。
良かった。
やっぱり変わっていない。



