「新しい狼を作ってくのはもう、私じゃない」 口に出してこそわかる本当の悲しさというものがある。 それを噛み締めながらしばらく走り、いつの間にやら見慣れた街並みに入った。 キラキラとネオンが輝く人混みの中 時折懐かしい不良が屯していて、彼等の特攻服が見え隠れする。 その中に 不意に「六代目狼」の文字を見つけた。 「…でかくなったんだよね。あんたちも」 見違えるほど たくさんのものを、背負いながら。