伝説に散った龍Ⅱ












諒二は、狼二代目総長だった人でもある。



先代であるからして、彼は



棗のことも、勿論私が抱えてきた事情もほとんどすべて知っている。



でも、だから。



知っているからこそ。



諒二にだけは迷惑をかけたくないと思っていた。



巻き込みたくないと。



巻き込めば彼はきっと、私以上に大きな負の感情を背負ってしまうはずだ。



なのに。







































───なのになんで、ここにいるの。





「そんなわけ無いでしょ」



「…」



「そこまで頭パッパラパーじゃないよ」



「…、」



「棗とさっき会って、話通じなそうだから殴っちゃった」



「…」



「今のうちに倉庫の前にでも捨ててくるよ」



「…ほんとに、」



「うん?」



「ほんとにそんだけ?」





諒二の言いたいことが、何となくわかった。



他に、



棗を送り届けることの他に、何か別の目的があるんじゃないのか。



諒二はきっとそう言いたいんだと思う。



それはたとえば、





「彼処に、───狼に戻るつもりなんじゃなくてか?」



























































私が白々しく
元鞘に戻ろうとしているのではないか。



ということ。





「ふざけないで」



「…芹那、」



「そんなつもり一切ない」



「…そっか」



「……そんな真似、出来るわけないでしょ」





───諒二は忘れた?





「忘れちゃったの?冴のこと」



「…っ、」



かっ、と諒二の瞳孔が開かれる。