伝説に散った龍Ⅱ










暴力に暴力を重ね、喧嘩に明け暮れる日々の中で出来上がった今の狼。



その中で唯一『友達』という名の関係で始まったのが私と棗だった。



でもだからこそ、



私が狼と縁を切るときには、一番初めが彼でなくてはならないと



それはずっと前から心に言い聞かせてきたことだった。





































































───なのに。



なのにどうして。



これ以上に辛いことはこの先いくつもあるはずで、



自分でもそれをわかってるはずなのに。



泣きじゃくる棗を背に



なぜか、涙が止まらない。





「戻って来てよ、セリナぁ…!」



「…、」



「こんなんがお前との終わりとか嫌なんだよ!!」





狼のメンバー同士だってことを抜きにしても。



私と棗は『友達』だった。



両耳を塞ぐ。



塞がずには居られない。