伝説に散った龍Ⅱ














けれど。



『正義のヒーロー』



肝心の伊織の目には、そうは映らなかったようだ。













































「ーーありがとう。好青年」





あくまで自分を助けた人間に向かい、可愛らしい笑みで吐き捨てるようにそう言って。



もう一度、スマホの画面に目を落とした。





「…あの」





再度大きなショックに見舞われた俺は、情けなく苦笑して、小さく彼女の肩を叩く。



先程までのやり取りを見ていればその行為にすら恐怖を感じた。



…が。



ゆっくりと視線を合わせた彼女は
想像以上に、優しく俺を見つめ返していた。



トクンと心臓が跳ねた気がした。



恥ずかしいほど甘い跳躍だった。














































「…なに?」



「連絡先、貰ってくれないかな」



「…誰の?」



「いや、えっと、俺の」



「どうして?」





茶色がかった双眼に射抜かれる。



『どうして?』



あまりにも純粋な問い掛けだった。



だから余計に戸惑って



俺はとんでもないことを口走った。














































「付き合いたい」