「ねえねえ、俺らとどう?」 「…」 「金持ってるぜ?」 「…」 「美人には5倍で誠意伝えるけどなあ」 なあなあ、と根気強く彼女に声をかけ続ける男は3人組。 ナリがナリだった。 男たちは誰の目にもヤンキーに写った。 「…ねえ、あんただよ。あんたに言ってんだよ」 「…」 「え、まじで聞こえねえの?」 「障害者なんじゃねえ?」 「…」 桜に集るハエたちを、 とうの桜は、払い除けようともせずに ひたすらに無視を続けていた。 哀れな小バエ達の姿を遠巻きに眺める俺は 心の中で小さく拳を握った。