伝説に散った龍Ⅱ



















桜の木を連想した。



美しく佇む、それでいて大きな桜の木。



そのイメージがピタリとハマった。



きっとあの瞬間、一瞬にして俺は彼女に落ちていた。






















「…」



「…」





ーー『セリナ』と呼ばれた金髪の女は、トイレからしばらく戻らなかった。



円堂 芹那。



まさに、“彼女”である。







































桃色の彼女、ーー伊織はその間、スマホから目を離さず



ごく一般的に、平穏に、暇を持て余していた。



加えて彼女は、“芹那”が帰ってくるまで
手元の食事に手を付けなかった。

















































彼女の周りだけが俺には輝いて見えて



しかし、それは無論俺だけに当てはまる話でもなく。



彼女に突き刺さる視線が
一旦、両手では数え切れないことはどう見ても明らかだった。