「、芹那ちゃん」
「…近藤」
「伊織は…?」
普段の余裕は何処へ行ったのやら。
近藤は有り得ないくらい真っ直ぐに私の目を見てそう言った。
有り得ないくらい、声が切なげに揺れていた。
柚の言った通りだと
私は苦笑して答える。
「ちょっと、あっちこっちに打撲やらなんやらで気絶してるけど」
「…ん」
「命に別状は無いよ、大丈夫」
「………」
ーー良かった。
そんな声が近藤から漏れた。
安堵した近藤見て、
ただし
と付け足す。
「ちょっと近藤に話しておかなきゃいけないことが」
「…なに?」
「…二人で、話させてくれる?」
烈の方を向いて尋ねた。
二人きりで話したい。
近藤と私で。
色々、想定外を跳ね返すことが出来るように。
烈に視線を合わせてそう問えば
烈は少し考え込むような素振りを見せる。
「…分かった」
「、」
「頼んだぞ」
「……、ありがとう」