伝説に散った龍Ⅱ














彼らのあの日の行動が全て



私を思って。
私のためにされたものだったのだとしたら。



私が、



もうあいつらに会えないんだろうか、なんて確信していたことも。



みっともなく落胆して、怖気づいていたことも。





















































───間違い、だったのだろうか。



頭が一瞬真っ白になって
また直ぐに、真っ黒い考えでいっぱいになる。





「…それが真実?」





恐る恐る訊ねる。



棗が頷いた。



まるで満足だ、とでも言うような



そんな、満ち足りた笑顔を見せて。

















































「…なんだ」





何だか拍子抜けだ。



少しだけほっとして。



そして少しだけ、決意が強くなる。





「…だから、セリナ」



「うん」



「帰ろう?つもる話は帰ってからすることにして」



「うん………でも、」





それでも。



私の意思は変わらない。



変えない。



変えたら最後、
お前たちをも裏切ることになりそうだから。
































───私は逃げるよ、棗。



棗だって覚えているでしょう。



あの夜のこと。