「うち、宮内麻美。ヒナコとは同じクラスで、一緒にご飯たべたりしてるよ。仲良しなの」
悠に近づくためなら、この期に及んでまだ私を利用する気でいるらしい。
どこまで神経図太いんだろう。
怒りを通り越して呆れてしまいそう。
「ねー? ヒナコ」
麻美の大きな目で見つめられる。
その目は、まるでメドゥーサみたいで。
睨まれた私は石になってしまいそうで。
(離れてよ、)
わざとらしく腕に手を絡められ。
これみよがしに、仲良しアピールされるのが。
死ぬほど嫌なのに、振りほどけない。
合わせろって、ことだ。
これからも仲良くして欲しいなら。
イジメないで欲しいなら。
頷けと、そう言っているんだ。


