元気よく挨拶してきたのは――。
「ヒナコー。英語の課題やってきた?」
(え……)
「すっごい難しくなかった? うち半分も解けなくて。一限目からブルーだよ」
なんで話しかけてくるの。……麻美。
「って、ごめん。話の腰折っちゃったかな」
わざとらしく眉を下げ、悠のこと上目遣いで見つめている。
教室での私に対する態度を今すぐ悠に見せてやりたい。
私にしたこと全部、言ってやりたい。
「いや。そんなことねーよ」
麻美なんかと話さなくていい。
悠がこの場で麻美を拒絶してくれたら、どれだけ爽快だろうなんて。
自分の力でどうにかせず
悠にそんなことを期待しちゃう私は間違ってる。


