それじゃ、と先生が背中を向けて歩いていく。 一度も振り返らずに角を曲がって行った。 私もはやく向かえばいいのに。 (見えなくなるまで見つめてしまった) この瞬間に抱いた自分でも気づかないくらいの小さな感情が、どんどん育っていくことを。 私は、痛いくらいに思い知ることになる。