「先生」
「ん?」
「あの。……今晩は。いっしょに眠りませんか」
ああ、本当に愛しい。
「先生の顔、見ながら。眠りたいです」
そうですね。
“私だけ”毎晩あなたの可愛らしい顔を眺めながら眠るなんてフェアじゃありませんね。
「ヒナコ」
「は、はい」
「それって。心の準備できたってことか?」
「え……」
「はは」
「せ、先生」
「いつになったら先生呼び抜けるんだろうな」
「な……なか……」
さあ、呼んでください。
その小鳥みたいな心地よい囀(さえず)りで。
鳴いてください。
「……ナカナリ……」
何度だって。
私だけのために。
『私はあなたのストーカーです』完


