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あれから、数ヶ月がたちました。
「ただいま、ヒナコ」
「おかえりなさい!」
笑顔が増えましたね。
本当によかった。
「小町ちゃん、どうしてるかな」
小町は、家に返しました。
ヒナコのストレスが気になったので。
小町には、イジメが原因でふさぎ込んでいたと。
家に帰り頑張っていくことを決めたと、ヒナコの前で言わせました。
惚れ惚れするような、名演技でしたよ。
現在、ヒナコには外部と連絡のとれるものを渡していません。
外部からの情報も入ってこないようにしています。
いらないですから。
ヒナコも求めてきません。
「なんでも芸能活動を始めたいとかでな。『失踪少女、奇跡の帰還』って注目されて。精神面の強さと、ミステリアスさで。天才子役になるんじゃねーかって期待の声もあがってる。それに合わせて転校するって言ってたな」
「すごい。あんなに小さいのに夢をみつけて。働くんだ。転校するならイジメも合わなくて済む。よかったですね……!」
「はは」
「え!……なんでここで笑うんです?」
私に甘える小町を見る目は悪魔みたいでしたのに。
今のあなたは、すっかり『ヒナお姉さん』の顔になっているからですよ。
「念の為、ご両親のこと調べてみた。本当に小町のことを大切に育ててきたみたいだから心配ないだろう」
「小町ちゃんが明るい未来を手に入れたのは。先生のおかげ……ですね?」
「そうだと嬉しい」
「私も嬉しいです」


