ヒナコの生活を追いかけていた日々を物語るこの部屋。
随分と思い入れもありますが、処分しちゃいましょうかね。
残しておけません。
ヒナコに見つかりでもすれば、驚かせてしまいますので。
誰かに見つかれば、静かに暮らせなくなるので。
まあ、急ぐこともないですが。
いつかヒナコと私の子供が大きくなれば、部屋が必要になりますからねえ。
『センセイ。回収したよ』
「ご苦労様でした。今度、ヒナコと三人でお茶会でもしましょうか」
あなたが住んでいた家の盗聴器やカメラの回収は、少年が済ませました。
これからの人生プランは、ゆっくり焦らずに立てます。
なにせ傍にヒナコがいるのですから。
これ以上の安心はありません。


