本当は、 あなたに手をかけそうになったことがあります。 あなたが大切すぎて。 あなたの息の根を止めたいくらいまで、私はあなたを愛しているのですよ。 しかし、失った命は還ってはきません。 どんなに願っても。 それを、身を持って知った私ですから。 たとえば、あなたがこの先苦しむ場面が見たくないから殺してあげたくなっても。 あなたが私以外の男を愛してしまうかと不安にかられて殺してしまいたいと思っても。 私は、あなたのことを、殺めはしないでしょう。