私は、常日頃から、生徒たちに『堅い』と感じられがちでしたので、新しい顔を持つことにしました。
明るく、少々いい加減でも心は熱く、ときに家族のように寄り添う。
そんな、『やつら』の求める。
『やつら』にとって好感触なキャラを作り上げたのです。
児童教育や心理学の本を学生時代以上に読み込みました。
流行りのアニメや漫画をチェックしました。
髪を切り、眼鏡を外し、生徒ウケのいいルックスになりました。
必要に応じて敬語を封印しました。
新しい顔の私のことを、サクラの保護者だと気づく子供は、いませんでした。


