私はあなたのストーカーです



同時に、先生に、想われている、小町ちゃんという少女に対し、ふつふつと黒い感情がわいてくるのがわかった。


「こういうのって。通報すべき事案では」
「そうだな。だけど、今あの子を家に帰すと、負のループに戻してしまうことなるかもしれない。赤の他人の俺にできることなんて、限られてくる。あの子を救ってやれないかもしれない。それを俺は懸念している」


だから先生は、あの子をかくまってるの?

どうして先生が?


あの子を救ってあげるのは
先生じゃなきゃならないの?


「許されることだとは思ってない。自分があの子に対し、常識の範囲内で動けているとは思っていない。それでも。見過ごすのはもう嫌なんだ」


それは、まるで、先生が過去にも傷つく少女を見てきたような口調で――。


「あの子が、自分で、安全な生き方を選べるまでは。せめて、心の傷が治るまでは。俺が面倒見てやってもいいと思ってる」