「……ちょっと、碓氷くん。顔怖いよ?」
目を見開いて俺を見る、宮内麻美。
お前がひなをイジメたことは死ぬまで後悔させてやるが、ひなを孤立させたという点に関してのみは、百歩譲って褒めてやってもいい。
なにせひなが俺を頼りたくなる環境を作ったんだからな。
寂しいひなの近くにいてやることができた。
だけど、やりすぎたんだよお前。
お前だけじゃない。
ここにいる、四人全員。
「お前らが握ってるひなの弱み。全部出せ」
「なに、それ」
ひなは、弱い子じゃない。
おとなしくお前らの言いなりになって元気なくすなんて、いくらなんでも不自然なんだよ。
「とぼけるな」
「怒らないで、碓氷くん」
涙ぐむな。
被害者ぶるな。
今すぐぶん殴りたくなるから。
その、愛されて当然みたいないけ好かないツラ、ぐちゃぐちゃにしてやりたくなる。
お前らなんてゴミ同然だ。
自信あるだろう顔も、ただただ醜い。
女なんて、嫌いだ。
ひなだけだ。
俺にとって可愛い女の子は、ひなだけだ。


