『優等生だねー、ヒナコちゃんは』 藤ヶ谷くんに笑われた気がした。 「さ、さようなら」 「おう。また明日」 教室を出て、そっと先生を振り返ると 先生は、私のことを見てくれていて。 それが嬉しくて。 (好きです) 思わず気持ちが溢れそうになったけど、喉まででかかったその言葉を呑み込んで、前に一歩踏み出した。