「バレちまったか」
先生の、その笑顔が。
「読書はいいぞー。色んな世界に浸れるし。なんにだってなれる」
「くりりん、それ中二病っぽい」
「クックック。我が左手に宿りし……」
「はーい。くりりんがうるさくて読書ができませーん」
「おいお前ら」
適当なところが。
ノリのいいところが。
私に、躊躇いもなく手を差し伸べてくれるところが。
気づいたら、全部がいいなって思ってしまっていて。
【ナ イ シ ョ】
ねえ、先生。
どうして私と秘密、作ってくれたんですか。
また
あの部屋に紅茶を飲みに行ってもいいですか――?


