こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

今日は散々だった。

いきなりプロジェクトから外されたかと思ったら、本社でなくコールセンターへ異動命令が下った。

そうだ。コールセンターといえば……最上さんの仕切ってる所じゃない!

異動することで頭がいっぱいになっていたけれど、よくよく考えてみれば事態は最悪な展開に傾きつつあることにいまさら気がついた。

仕事を終え、パソコンの電源を落とすとハァァと深くため息をついてデスクに突っ伏した。
木崎課長、陽だまりで待ってるって言ってたけど……ここにいてもしょうがない、やっぱり帰ろう。

バッグに手帳とスマホを突っ込んで、パソコンの電源が落ちたことを確認すると、私はオフィスを出た。

エントランスまで降りてからスマホを取り出して、私は木崎課長に帰宅する旨をメールで伝えた。

話っていったって、どうせ宥め続けられるだけだ。メールを送信し終わった画面をぼんやりと見つめる。

帰る時、彼はまだ自分のデスクで山積みの仕事をこなしていた。私がオフィスを出ることに気がつかなかったようだけれど、ここでメールを送信してしまえば会わずに帰ることができる。

そう思っていたのに……。