「お前に話さなきゃならないことがある。いいから、このまま黙って聞いてくれ」
話さなきゃならないこと。と聞いて最上さんに向き直ろうとしたら制された。彼はちゅくっと甘い水音を立てて私のうなじを吸った。これから話すことに耳を傾けたいのに、妙な気分にさせられる。思わずでそうになった声を堪えてはぁ、と息づいた。
「SAKAIの買収契約がさっき締結された」
「えっ!」
あまりの驚きに私は最上さんに振り向いて彼を見つめた。
「……どういうことですか?」
「お前に断りもなく勝手に事を進めたことは悪いと思っている。けど、時間がなかったんだ。買収の件で反対するSAKAIの連中はいなかった。むしろ買い上げてくれって懇願するほどだったよ。ソニリアの上層部が動く前に手を打たないと手遅れになると思ったんだ」
もしかして、今までずっと家にも帰らないで、やっていたことって……このため?
最上さんは父が倒れたとき、父の代理を務める中西専務にこう頼まれていたのだという。
――どうかうちの会社を買い取っては頂けないだろうか、SAKAIが生き残るためには、もうこの道しかないんです。酒井社長もそれを望んでいるかと。
話さなきゃならないこと。と聞いて最上さんに向き直ろうとしたら制された。彼はちゅくっと甘い水音を立てて私のうなじを吸った。これから話すことに耳を傾けたいのに、妙な気分にさせられる。思わずでそうになった声を堪えてはぁ、と息づいた。
「SAKAIの買収契約がさっき締結された」
「えっ!」
あまりの驚きに私は最上さんに振り向いて彼を見つめた。
「……どういうことですか?」
「お前に断りもなく勝手に事を進めたことは悪いと思っている。けど、時間がなかったんだ。買収の件で反対するSAKAIの連中はいなかった。むしろ買い上げてくれって懇願するほどだったよ。ソニリアの上層部が動く前に手を打たないと手遅れになると思ったんだ」
もしかして、今までずっと家にも帰らないで、やっていたことって……このため?
最上さんは父が倒れたとき、父の代理を務める中西専務にこう頼まれていたのだという。
――どうかうちの会社を買い取っては頂けないだろうか、SAKAIが生き残るためには、もうこの道しかないんです。酒井社長もそれを望んでいるかと。



