こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~

婚約するのをあんなに嫌がっていたというのに、いざそう言われて傷つくなんて矛盾している。それだけ最上さんという存在が私の中で大きいものなのだと思い知る。

最上さんは私を好きと言ってくれて私も好きと伝えたけれど、結婚ともなると好きだけじゃだめなのだ。そう思うと、真っ暗闇につき落とされたような気分になった。

「そう、ですか……そうですよね、恋愛と結婚って違うっていいますし、私はそれでも……こんな自分を好きって言ってもらえて、すご……く、嬉しかっ――」

馬鹿、なんで泣いてるの? 泣いたって最上さんを困らせるだけじゃない。

でも、いずれ別れることになるならちゃんと自分の気持ちを伝えよう。

「私、最上さんと一緒にご飯食べながら、もし結婚したらこんなふうになるのかな、とかってちょっと想像してました。ちょうどスマホも水没して連絡先もなくなっちゃったことだし、今後最上さんに連絡することも――」

「おい、待て。なにかすごーく勘違いしてないか?」

「え?」

くるりと私に振り返ると最上さんが腕を組んで、なにか言葉を迷っているふうに時折頭を掻いたりして難しげな顔をしている。