「自分のためと言っておきながら、本当は私……最上さんの力になりたかった。役に立ちたかったんです」
ひとりで鳳凰亭に乗り込んだのは、最上さんに迷惑をかけたくなかったから。いくらどんなに迷惑をかけて弱い部分を見せあっても互いにそれを許し、受け入れる。それが本来の恋人の姿だというのに、「嫌われたくない」「離れられたら怖い」という小さな不安が最上さんとの間に結び目を作ってしまったのだ。
最上さんが来てくれて本当によかった……。
そうほっと胸を撫で下ろしていると。肩越しに振り返って最上さんが口を開いた。
「SAKAIを買収する代わりに、お前と婚約するという話だが……あれはなかったことにして欲しい」
突然、彼の口から耳を疑うような言葉が飛び出し、一瞬なにも考えられなくなる。目を見開き、呼吸さえも止まりそうだった。
え、今……なんて言ったの?
婚約の話はなかったことに……そう言ったの?
ひとりで鳳凰亭に乗り込んだのは、最上さんに迷惑をかけたくなかったから。いくらどんなに迷惑をかけて弱い部分を見せあっても互いにそれを許し、受け入れる。それが本来の恋人の姿だというのに、「嫌われたくない」「離れられたら怖い」という小さな不安が最上さんとの間に結び目を作ってしまったのだ。
最上さんが来てくれて本当によかった……。
そうほっと胸を撫で下ろしていると。肩越しに振り返って最上さんが口を開いた。
「SAKAIを買収する代わりに、お前と婚約するという話だが……あれはなかったことにして欲しい」
突然、彼の口から耳を疑うような言葉が飛び出し、一瞬なにも考えられなくなる。目を見開き、呼吸さえも止まりそうだった。
え、今……なんて言ったの?
婚約の話はなかったことに……そう言ったの?



